独り言シーズン5


by hisaom5
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概念を覆す研究

分化した動物の細胞をストレス下におくだけで、初期化が起き多能性を獲得するという研究が発表された。まさに常識を根底から覆す発見だ。iPSで覆った常識の、さらに上を行く発見である。

植物細胞は分化の多能性を持っていて、成長した個体から細胞を取り出して脱分化させ、再び個体を得ることができる。ところが動物はそれができない・・・というのが教科書の常識。

それが覆ってしまった。しかも、それができる事で広がる「治療」の未来は壮大である。

iPS細胞の時にすでに感じていたことはあるが、常識を覆し壮大な未来を開く研究を見せつけられると「俺は何をやっているんだろう」とショックを受ける。自分の研究対象がとても小さなものに見えてくる。

一方で、ノーベル賞を取るような研究というのは、既存の概念を根底から覆したり、これまでになかった新事実を発見し、そこから急速に新しい学問分野が作られるようなたぐいのものである。

前者は、「既存の概念(常識)」が形成されるまでの長い地味な研究があってこそ成り立つものであり、後者では新事実の発見に続く「新しい学問分野」での多種多様な研究が追随したからこそ、その発見技術が評価されたわけである。

いずれにせよ言えることは、巨大なインパクトをもつ研究がありえるのは、その周辺の膨大な・地味な研究があってこそだということだ。そして、研究者全員が巨大なインパクトを持つ研究を指向することは、上記の話からしてありえないことが自明である。

そういうわけで(?)今日も私は地味に自分の研究に邁進するのだ。
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by hisaom5 | 2014-01-30 11:38 | 日記