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独り言シーズン5


by hisaom5
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何のために研究をするのか。

タイトルの問題は、実はずっと悩んでいるところであり、まだ答えは出ていない。けどそれに関して少し考えさせられることがあったので書いてみる。

TwitterのTLを見ていると、大学教員が「お前の研究、のんびりやってる間にもっと頭良くて勤勉な他の国の誰かがやっちまうぞ。」とつぶやいていた。

私はこのひとのフォローはしていなくて、別の人がリツイートしたから流れてきた。情報工学系の人で、カルチャーがあまりにも違うのでフォローするのをやめていたのだ。今回もこのTweetをみて、非常に違和感を覚えた。RTしてさらにコメントを付けるような事はしないが、でもちょっと意見を述べたい。

このTweet、のんびり研究をやっている学生を鼓舞するために行ったTweetだろう。だが、天邪鬼の(?)私からすると、「だったら、そもそもその人がやる必要ないじゃん」と思ってしまう。研究が、なにか問題を解決して人類の未来に貢献しようするものであるなら、「もっと頭が良くて勤勉な他の国の誰かがやる」のであれば、その人に任せておけば良い。

企業の研究開発競争、知的財産の奪い合いの場にあれば、これは正義なのかもしれない。しかし私たちはアカデミアだ。問題解決のためにやっているのだから、だれが解こうと問題ではない。それも、「もっと頭よくて勤勉な誰か」が取り組んでいる問題なのだったら、「それよりも頭が良くなくて勤勉でない」自分がその問題にアタックする必要がない。テーマの選定ミスだ。

私は昔から、自分のテーマですら、「この問題誰かといてくれないかなぁ」と思うことがあった。私は知りたくて研究をやっているので、誰がその問題をといてくれても別に構わなかった。もちろん、それでは自分がその研究に貢献できず、論文も発表できないわけだから、研究者としては食っていけないという別の問題はあるのだが・・・。

頭よくて勤勉な誰かが問題解決に挑んでいるのであれば、同じように頭よくて勤勉な人間でない限りそれに挑む理由がない。自分が頭が良くて勤勉であることを自負していないのであれば、その人独自の切り口のある他のテーマを選ぶべきだろう。自分が挑む意味・意義のある問題に取り組んでいる、と人は思いたいものではないだろうか。


by hisaom5 | 2015-02-19 22:12 | 研究