独り言シーズン5


by hisaom5
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ジェネンテック―遺伝子工学企業の先駆者

サリー・スミス ヒューズ / 一灯舎



Genentechという世界で初めてのバイオベンチャーの創生期から株式上場までを追跡したドキュメント。Facebookで知人が紹介していたので読んでみた。

遺伝子組換え技術がどのように生まれたか、産業上意味のある組換えタンパク質の産生へとどの様につながったのか、またその技術の成功に対する科学界・世間の受け止め方は? 昔から遺伝子組換え実験を行ってきた自分にとって非常に興味深い内容だった(この内容をこれまで誰からも教えてもらわなかったことにも驚く)。大学の生物学の教員が産業界を兼任することへの批判が、アメリカにも昔はあったこと、「遺伝子組換え」に対する知的財産の考え方など、Genentechの成功がそれらを急速に変えていったことなども興味深い。

それにしても「バイオテクノロジー」とは何だったのだろうか(あるいは、何なのだろうか)?バイオテクノロジーにおける「成功」とは?

なぜ当時これほどまでに期待された産業が、そしてそれは期待以上の成功を収めたようにも見えるこの産業が、現在(日本では?)「停滞」を起こしているように見えるのだろうか?使い尽くされるところはあっという間に使い尽くされ、技術が急速に枯れてしまったのか。

Genentechの歩みをみれば、成長ホルモンの成功で一気に大企業となり、その他にはいくつかの組換えタンパク質を作った後に、抗体医療に用いられるモノクローナル抗体へと商品をシフトさせている(このくだりは本書にはない)。これは「組換えタンパク質」が医療応用に関しては行き詰まりを見せてしまったからなのだろうか?組換タンパク質を大量生産することでできる事は限られていて(あるいは、当たり目に出来るので富を産まなくなり)、「組換え生物」を利用した産業へと時代がシフトしていっているんだろうか?それも近年あまり進捗がないように思える。

「組換えDNA」は、業界にどれだけのことを生み出しどこへ向かっているのか、私はもう少し勉強しないといけない気がしてきた。
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by hisaom5 | 2014-03-27 16:35 | 読書

チャレンジすること

昨日は、山梨からYさんが来られ研究打ち合わせ。かれこれ5年位の付き合いになる。4時間の打ち合わせの後は例によって(?)吉備土手へ。フルコースにはならず、中華は飛ばしてラーメンで締めた。久々にたくさん飲んだ。吉備土手はおもいっきり酔わせてくれるのがすばらしい。


この世界にいると、「研究で自己を実現するためのチャレンジする」若い人たちに出会うことがある。敬意を持つとともに、一方でそのリスクに「大丈夫か?」と思ったりもする。

だけど、自分のことを考えると、後先考えずに何度か「チャレンジ」した。いや先のことは考えつつも、なんとかなると楽観的に考えつつとりあえずチャレンジした。そこにいかないと自分のなりたい自分になれない思ったら、とりあえず進んだ。若かったからできたのかもしれない。

逆に言うと、リスクを考えずチャレンジできるのが若さの特権といえるのだろう。だから私は、若者にあまりリスクを説くのは好きではない。研究で自己を実現したいという強い欲求があるのだったら、多少のリスクがあってもチャレンジせざるを得ないだろう。

もちろんチャレンジするからには覚悟を決めて、必死でやらなければならない。その結果が成功であればいうことはないが、失敗しても得られるものは大きいと思う。
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by hisaom5 | 2014-03-25 19:07 | 日記

いろいろ、イライラ?

昨日はブログをそれなりの量書いていたのにいきなりセンターが全館停電。施設の老朽化だそうで今度工事が行われるらしい。それにしてもいきなり電気が消えると、まずは目の前のパソコンの3つのモニターがブツリと切れるわけで、結構ビビる。

・・・停電の被害は、学生が測定中のデータと私のブログのエントリー。それだけですんでまあ良かったと言える。

今日は一応申請書の内々の締め切りで、しかもグループの研究なので他の人の申請書に目を通したり、やって来るメールに対応したりでパソコンの前から離れられない状態。Twitterにいらんコメントしてみたり、なんかイライラしている。やはりこうして申請書に集中しなければならない時に実験は難しい。

脳がマルチタスクならなぁ、と思うのだが、やはり一日の中で「時間」を区切って別々の作業をするのが最も効率が良い・・・効率が良いのかどうかはわからんがそうしなければならん気がしている。でないといろんなことがぶつ切りになってしまう。

でも、逆に1つの事に一定期間おもいっきり集中するからいい仕事ができるということもあったりするだろうし・・・難しい問題だな。自分のやりたいようにやろうかしら(だとしたら後者)。
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by hisaom5 | 2014-03-17 19:24 | 日記

研究費を得るための仕事

昨日は、とある研究費を得んがための東京での会議に参加。午前11時から午後6時までほぼやすみなし。良い勉強にもなったが、それだけではダメで、ここからの必死の努力が必要だ。

昨日は東京に泊まったのだが、脳が強い刺激を受けたからか眠れず。朝方には小さな地震もあり目が覚めてしまった。

自分の研究、ユニークであるのは確かなのだがユニークであるがために、もっともっと自分自身で追求しないといけないというのを強く感じた。
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by hisaom5 | 2014-03-12 06:19 | 日記
今日、かなり「がっかり」なことがあった。やる気が一気に無くなった。とても眠くなった。来週月曜日までにグラント申請書を仕上げないというのに・・・。

年をとってだんだんと衰えていく肉体。マラソンをはじめてランニングの体力は鍛えられてきている気がするが、精神力はどうなっているのだろう?

少々のことでは揺らがないようにはなったのかもしれない(他の対処法を見つけられるから)。だけど、少々のことではないことが起きた場合に、どこまで自分の精神は耐えられるのか?

まあ、期待が外れたというだけで、今ある何かが破滅したわけではない。ピンチというでもないか。でも、人は希望があるからこそ生きられるわけで・・・やっぱやる気はなくなるよなぁ。

今日は「やけ酒」させてください。
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by hisaom5 | 2014-03-06 20:02 | 日記

42.195kmの科学

42.195kmの科学 マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」 (角川oneテーマ21)

NHKスペシャル取材班 / 角川書店(角川グループパブリッシング)



マラソンをはじめて、膝の負担を考えて走り方を工夫していた。膝への衝撃を考えるとそれまでやっていた「かかと着地」ではなく、「つま先着地」の方が良さそうだった。しかし、つま先着地はふくらはぎをすぐに疲れさせる。

・・・なんてことを考えながらウェブを調べていたら辿りついた本。NHKスペシャルで放映された内容の書籍版ということらしい。マラソンの世界記録上位を占めるケニア・エチオピアの選手たちの走りの秘密を「科学」した本だ。

(これはアマゾンの書評にもあったが)これを読んだところで自分のマラソンのタイムが向上するとは思えなかった。そもそも東アフリカの選手たちは子供の頃からの環境が違うし、一流のマラソンランナーを目指してトレーニングし続けて出来上がった体だから可能な走りを、私が真似できるはずはない。

それはよい。

私が問題だと感じたのは、「科学」の部分。何人かの研究者が登場して、東アフリカの一流選手たちの走りを分析する。すると、研究者が驚くような数値を、それらの選手たちはだす。それはどちらかと言うと研究者が提唱しているセオリーを覆すような数値であったりする。

するとその研究者(筆者?)は、「なぜセオリーを覆すような数値を出しているのに、すごい記録が出せるのか」を考え、別の理由を引っ張り出してくる。これは研究者の態度としておかしい。

正直な研究者であれば、まず自分たちのセオリー(仮説)を疑わなければならない。「自分たちのセオリーでは走りの早さを説明できないのかもしれない」と思わなければならない。なのに、自分たちのセオリーは揺るがない数学の法則のような扱いを受けていて、無理やり別の理由をひねり出そうとするのだ。

こんな「似非科学」が何度か出てきて辟易してしまった。実際、科学を取り扱うNHKスペシャルでは、このようなセオリー(仮説)を全面に押し出した、「疑わない態度」で番組が進行することがほとんどである。

番組で取り上げる新たなセオリー・仮説は、多くの場合大変にエキサイティングなものが多い。だからパッと見楽しい。しかし、たくさんある仮説の一つにすぎないものが、あたかも世界中の研究者全員が支持しているかのような「疑いの余地がない」ような扱いで紹介される番組進行は、いつも見ていて気分が悪くなるのだ。

この本もそれと全く同じ態度の「科学」の書籍だった。
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by hisaom5 | 2014-03-04 19:02 | 読書

決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば (P-Vine Books)

横井軍平 / スペースシャワーネットワーク



任天堂の今を作った人の遺稿集。副題(と言うかこっちがメインタイトルだと思うが)が、「ものづくりイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?」である。最近ある人から「枯れた技術」という言葉を何度か聞く機会があって、この言葉を調べているうちに辿り着いた書籍。

「枯れた技術の水平思考」という考え方は非常に重要で、勉強になった。一方で、「書籍」としてどうかと言われれば「?」である。

定価が1900円程度、今でも中古本が1300円程度。それだけの価値があるとは思えない。別々の雑誌に掲載された横井氏のインタビューでは同じ言葉が何度も繰り返し出てくるし、そこからより横井氏の人物像が広がるわけでもない。

誰でも手にはいりそうな文章を寄せ集め、適当に今の(ゲーム)クリエイター達の文章を散りばめさせている(これもほとんど読む価値がない)。中には「枯れた技術」の意味を勘違いしている(悪い方にだけとっている)と思われる人もいるし。「雑誌レベル」、あるいは「ウェブ特集レベル」のチープな内容だった。その分片手間に読むには良かったが。

横井氏は任天堂を退社し、氏のクリエイティビティーを思う存分発揮するべく会社を立ち上げたその年に不運にして亡くなっている。これが1997年。今から15年以上も前のことである。その間にゲームの価値は激変した。

一般の人達は、ゲーム機器に多くの金を使うことにためらいがなくなり、売りだした機器は多くの人が購入することが期待できるようになり、大量生産が可能になったため、最先端技術を使ってもコストを下げることが出来るようになった。

また、現代のゲーム市場を席捲している「ゲーム機器」は、携帯電話+インターネットである(ここで行われるゲームはある意味「枯れた技術」といえるかもしれない)。

時代は15年前から大きく変わった。当時の氏の言葉はいかにも古い。

横井氏がこの15年にどのような「ものづくり」が出来たのか、それはもちろん今となっては分からない。だが、この書籍にはそのような視点も必要だっただろう。氏の思想は今の時代のどこに生きているのか、氏が生きていたらどんなものが作れていたのか・・・。


最初の言葉に戻るが、私の研究スタイルとして「枯れた技術の水平思考」という概念自体はとても重要だと思う。非常に高度な最先端技術を駆使して他の人が得られないデータをとる研究ではなく、枯れた技術を水平思考して誰もやらないような研究をやる、それが私のポリシーだからだ。
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by hisaom5 | 2014-03-01 10:38 | 読書