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独り言シーズン5


by hisaom5
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黙って論文を書けるのはすごい。

以前から、論文を書く度に(書こうとする度に)その苦労(苦悩)をブログに書いてきて、それをまとめて自分のウェブページに載せたりしてきた。

いちいち論文を書く度にそんな苦悩を味わうようなレベルだから論文の数が少ないのだと言われればそうなのだろう。実際、現在の職場に来て、バンバン論文を発表している同僚たちを見ると、時にレビューアのコメント等に文句は言っているものの、投稿までのプロセスは実に淡々とこなしている。そして次から次へと論文を発表している。

そういう人たちを見てると、論文書くのが苦しいなどといちいちブログに書くことは大変恥ずかしいことのように思えて(というかそもそもブログを書くこと自体が恥ずかしいことではないかという気もしないでもないが)、論文執執筆の苦悩をだらだらと書くのをやめてしまった。

だが、苦しい物は苦しい。かつて、この分野の御大と呼ばれる人物が、論文を執筆していることをブログに紹介しつつ、「論文執筆は生涯学習だ」と書いているのを見て勇気づけられたこともある。御大だって苦しんでいる。私だって苦しむのは当然。

そしてその苦しみを記録としての残しておくことも重要だろう。

・・・とまあ前置きが長くなった気もするが、言いたいのはこれから書こうとする論文のことで、これが間違いなく「産みの苦しみ」があることが予測されるのだ。

私自身としては、「とても良い素材が手に入った」と思っている。下ごしらえもある程度できた。だがこの素材を使ってどんな料理を作るのか、それがまだちゃんと定まっていない。論文を書きながら、どこまでの料理が作れるのかが決まってくる状態。

しかも、この素材で勝負もかけたいと思っている(良い雑誌に投稿するということ)。産みの苦しみが間違いなくある。

話は変わるが、実は私が産みの苦しみを味わうようになったのは、自分が研究スキームを変えてからなのだ。いわゆる分子生物学をやっていた頃には、論文を書こうとする段階ではすでにある程度のストーリーができていた。起承転結がついた段階で論文を書き始め、フィギアを並べそれに合わせた解説をつける。もちろん論文を書くのはしんどかったが、ある程度レシピができた料理を作っていたのに近い。

研究スキームを自分独自のものに変えてから、材料だけはあるが、全くレシピのない料理を作る事になった。これをやるのは大変な苦労・苦悩だ。だけどうまく行った時には、なんとも言えない独自性の高い論文が出来上がることになる。

他の人が自分の論文を読んだら、書かれている内容もさることながら「これどんな奴が書いたんだ?」と思わせるような論文を書きたいじゃないか。それが積み重なって、「あいつはいつもちょっと変わった(面白い)論文を発表するな」と思わせたいじゃないか。

うん。だいぶ自分の気持が整理されたな。
by hisaom5 | 2014-04-04 12:29 | 日記